熱中症対策始めましょう
2025.05.23
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「暑熱順化(しょねつじゅんか)」とは、体が暑さに慣れることで、熱中症になりにくい体を作るための取り組みです。暑い日が続くと体は次第に暑さに慣れていきますが、これを意識的に行うことで、効率的に暑さに強い体を作ることができます。
暑熱順化のメカニズムと効果
暑熱順化が進むと、体には以下のような変化が起こります。
- 発汗量の増加: 暑さに慣れると、体温がさほど上昇しなくても汗をかきやすくなります。汗が蒸発する際に体の熱を奪う(気化熱)ことで、体温の上昇を防ぎ、熱中症になりにくくなります。
- 汗に含まれる塩分濃度の低下: 暑熱順化すると、汗に含まれるナトリウムイオン濃度が低下します。これにより、体に必要なミネラルが汗と共に大量に排出されるのを防ぎ、けいれんや意識障害といった熱中症特有の症状のリスクを軽減します。
- 皮膚血管の拡張: 皮膚の血管が拡張し、体の表面から効率的に熱を放出できるようになります。
- 循環血液量の増加: 血液量が増加し、体温調節がスムーズになります。
これらの変化により、暑い環境での体温上昇や心拍数増加といった生理的ストレスが軽減され、熱中症予防に繋がります。
暑熱順化の方法
暑熱順化には個人差がありますが、一般的には数日から2週間程度かかると言われています。本格的に暑くなる前の5月から6月頃に始めるのがおすすめです。
具体的な方法としては、日常生活の中で無理のない範囲で汗をかく機会を増やすことが重要です。 - 運動:
- ウォーキングや軽いジョギング: 1日30分程度のウォーキングや軽いジョギングを週に5日程度行うのが目安です。慣れてきたら、少しずつ運動時間を増やしたり、強度を上げたりしても良いでしょう。
- 筋トレやストレッチ: これらも適度な運動として有効です。
- ポイント: やや暑い環境で、「ややきつい」と感じる程度の運動が効果的です。運動する時間帯は、早朝や夕方など、比較的涼しい時間帯を選びましょう。
- 入浴:
- 湯船に浸かる: シャワーだけでなく、湯船に浸かることも有効です。40℃程度のお湯に10分~20分程度浸かり、汗がにじむくらいまで温まるのがポイントです。毎日ではなくても、週に2~3回程度、湯船に浸かる習慣をつけましょう。
- その他:
- 外出: 運動や入浴以外にも、外出などで汗をかく機会を増やすことも暑熱順化に繋がります。
- 冷房の使いすぎに注意: 快適な室温は大切ですが、冷房に頼りすぎると汗をかく機会が減り、暑熱順化が進みにくくなることがあります。適度に汗をかく機会を作ることも意識しましょう。ただし、体調を崩すほど冷房を我慢する必要はありません。
暑熱順化を進める上での注意点 - 無理のない範囲で少しずつ: 急に負荷の高い運動をしたり、長時間暑い環境にいるのは避けましょう。体調に合わせて、無理のない範囲で徐々に体を慣らしていくことが大切です。
- こまめな水分・塩分補給: 汗をかくことで水分や塩分が失われるため、熱中症にならないよう、必ず水分と塩分を補給しながら行いましょう。
- 体調の悪い日は無理をしない: 体調が優れないときは、無理に暑熱順化を行うのはやめましょう。
- 効果の持続性: 暑熱順化で得られた効果は、数日間涼しい環境で過ごすと元に戻ってしまうことがあります。梅雨時期など比較的涼しい日が続く場合は、梅雨明け後の急激な暑さに注意が必要です。
暑熱順化は、熱中症予防の重要な対策の一つです。夏本番を迎える前から計画的に取り組むことで、夏の暑さに負けない体づくりを目指しましょう。
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