丑湯に桃の葉を入れるのはなぜ?

丑湯に桃の葉を入れるようになったのは、桃が邪気を払う神聖な植物と考えられていたことと、桃の葉が夏の肌トラブルによいとされてきたことの2つの理由があります。
1. 桃は魔除け・厄除けの象徴
古くから日本や中国では、桃には邪気を払い、災いを遠ざける力があると信じられてきました。
例えば、日本神話の古事記では、伊邪那岐命が黄泉の国から逃げる際、桃の実を投げて追手を退けたという話があります。このことから、桃は厄除けの象徴となりました。
そのため、病気になりやすい夏の土用には、桃の葉を湯に入れて身を清め、無病息災を願う風習が広まりました。
2. 桃の葉は夏の肌によいと考えられた
桃の葉には昔から、
- あせも
- 湿疹
- かぶれ
- 日焼け後の肌荒れ
などの手当てに使われてきた歴史があります。
現在の研究でも、桃の葉にはポリフェノールやタンニンなどの成分が含まれていることが知られており、昔の人は夏に汗をかきやすい時期の肌をいたわる目的でも桃の葉湯を利用していました。ただし、医薬品として効果が証明されているわけではないため、民間療法として受け継がれてきたものです。
3. 土用の時期にちょうど葉が青々としている
土用の丑の日は7月下旬ごろで、桃の葉が最もよく茂る季節です。
そのため、新鮮な葉を摘んでそのまま湯に浮かべたり、乾燥させて保存した葉を使ったりすることができ、季節の植物を暮らしに取り入れる知恵でもありました。
現在の桃の葉湯
今でも桃の葉を乾燥させて布袋に入れ、お風呂に浮かべて楽しむ家庭があります。肌が敏感な方は、植物によって刺激を感じることもあるため、初めて使う場合は少量から試すのがおすすめです。
つまり、丑湯の桃の葉には「厄を払う縁起」と「夏の肌をいたわる暮らしの知恵」という二つの意味が重なっているのです。
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